たのしいことを考えよう
たのしいことを考えよう
楽しい事を思い浮かべよう。
くだらなくて良い。
誰に見せる訳ではなし。
馬鹿にされる事も無い。
何も思い浮かばないと嘆く事は無い。
眠っているだけ。
やがて目覚める
※イラストは2014年。某医院に飾られていた。
絵を描くことはくだらない事だろうか?
随分昔に、ある一級建築士の姉さまと出会った。
一級建築士が一体このプロレタリアな自分に何の用だろうかと思ったが、その姉さまは広大なネットの海から僕の作品を見つけてくれたのだった。
会社の立ち上げで辛かった時期に、僕のとある作品からたくさん元気をもらったのだと言ってくれた。
で、はじめて実際にあった時、
「僕は絵を描く事しか出来ませんけどね。」
と言った。
すると姉さまは
「絵を描ける事は素晴らしい事。」
と言った。
辺りを指差しながら、
「あの建物もその建物も、絵を描いてくれなくちゃ建てられないの。この世界のほとんど全てが絵を描く事から始まるの。」
と教えてくれた。
そうか。。
社会という列車に乗り遅れたプロレタリアートの僕は、その言葉で自信を取り戻したのを思い出す。
もし今、僕が作家という価値観と仕事人という価値観の狭間で揺れ動く事があるならば、今こそこの言葉を咀嚼しなくちゃいけない。
なぜならどちらも絵を描いてこの世界を作っていく事に変わりはないのだから。
例えそれがどんなに小さな、光の届かない場所であっても、だれか1人の心に何かを一瞬でも残せたなら、それはこの世界をまた一つ作った事になるんだ。
作家と名乗っていた頃、街の色を変えてやると思っていた。
錆び付いてはいない。
だって今はもっと色んな事が出来るようになったんだから。
(by Shiro)
※イラストは2010年。「Elephant SANTIE」より